2000年(平成12年)1月24日月曜日



最初に
林 美子さん
という
朝日社会部記者の話をしましょう。

「朝日新聞社会部記者」

ジャーナリストとして
日本最強の肩書きの一つでしょう。
筆者からの

プリンセスM事件


第2問の問い合わせに対し、

「公人中の公人なんだから、こういう報道は
仕方がない」

とおっしゃられた方です。

「12月31日から新年の、新世紀にかけて
お正月の3が日くらいは、
どんな人でも
心豊かに
何がしかの期待をもって
過ごす権利があるし
過ごさせてあげる配慮があって
然るべきではありませんか」

との筆者の問いに

「それは、Mさまが、もしそう望むなら
そうですね」

と答えられました。

望むなら。

筆者は絶句しました。

MDがあります。
今、聞き返しても、ゾッとする会話です。

やや
間があって、

「あなたは、そこの本社社会部の人か?」

と聞くと

「いや、
都庁記者クラブですから」

と答えられました。

ここで筆者は、ある記事、
するどい、強く筆者の印象に残っていた
記事について
思い当たりました。

下です。


「ああいう人たちに人格あるのかね 重度障害者の病院視察で石原知事」
                    99.09.18 朝刊

 東京都の石原慎太郎知事は十七日の記者会見で、重い障害のある人たちの治療にあたる病院を視察した感想を述べるなかで、
「ああいう人ってのは人格あるのかね」
と発言した。
「ショックを受けた」
という知事は
「ぼくは結論を出していない」
として、
「みなさんどう思うかなと思って」
と続けた。

 知事はこの日、府中市の府中療育センターを視察。同センターには重い知的障害と重度の身体障害をあわせもつ子どもや大人が入所している。会見で強い印象を受けたことを明らかにし、
「絶対よくならない、自分がだれだか分からない、人間として生まれてきたけれどああいう障害で、ああいう状況になって……。しかし、こういうことやっているのは日本だけでしょうな」
と切り出した。
「人から見たらすばらしいという人もいるし、おそらく西洋人なんか切り捨てちゃうんじゃないかと思う。そこは宗教観の違いだと思う」
と話し、
「ああいう問題って安楽死なんかにつながるんじゃないかという気がする」
とも述べた。
「安楽死」
の意味を問われた知事は
「そういうことにつなげて考える人もいるだろうということ」
として、
「安楽死させろと言っているんじゃない」
と否定した。
知事は施設の必要性を強調し、職員の労をねぎらった上で、
「自分の文学の問題にふれてくる。非常に大きな問題を抱えて帰ってきた」
と語った。



「これは、女性記者の手によるものかも」
と前からあたりをつけていた筆者は、
よい機会だと思って

「あなたが、あの記事の記者では?」

と聞いてみました。

「えぇ、まぁ。
というより、施設に同行していろいろ聞いたのが私で
記者会見は、別の人ですけど」

との答え。

福祉関係者の方々は、よくご存知のように
この記事は、大きな波紋を呼びました。

念のため、
石原慎太郎 都知事の記者会見での発言は、

次のようなものでありました。

……(前略)……
 やっぱりあそこで働いてる人たちってのは、言葉は絶対通わない、ほとんど通わない患者をああやって慈しみ、とにかく一日でも長生きさせようってやってることで……(後略)……


この朝日記事と石原都知事の発言が、
都議会で問題化。
9月21日    氏が
「発言を撤回し、陳謝すべきだ」
と質問。

都知事は、

……(前略)……
 ある新聞が、現場にも同行せずにこの発言を意識的に曲解し、あたかも私が、障害を持つ方々の人格を傷つけたと、多くの読者に印象付けたことは報道の正確性にもとり、許せぬ行為でもあります。
 これは、卑劣なセンセーショナリズムであり、アジテーションであり、社会的には非常に危険なことだと思います。
……(後略)……

公式に答弁

筆者は、
林 美子さんから

「現場で質問をした」

と聞きましたし、MDで録りました。

誰かが嘘をついています。

筆者は、何度も
朝日新聞都庁記者クラブ
に電話をしていますが、

未だ回答なし。

今日の最後に、つい3日前
同じ朝日新聞、1月20日木曜日に載った
地道で、そして、高貴な、

現場

の方の努力をぜひお読みいただいて
皆様に考えてもらいたい
そう思います。

僭越なものいい
失礼しました。


発音させたい「おかあさん」

 福祉施設嘱託
       木村真八郎
 (東京都葛飾区 70歳)


 言語障害がある脳性マヒの子らに、
「おかあさん」
と言わせたい。言語治療約三十年の悲願だ。
 昨年、ふとひらめいてマウスピースを補助用具に使ったことで、これまでうまくいかなかった発音ができるようになり、
「おかあさん」
への道筋が見えてきた。
 東京都内の福祉施設で、脳性マヒなどの園生の治療に当たって約十年になる。それまでは、同じ都内の小学校の言語治療教室で教えてきた。

 五十音のどの音節から教えていけばいいのか。言語治療は、まずやってみることから始まる。一つの方法でうまくいかなければ、次の方法を試みるしかない。
「あいうえお」の音節から教えていけばいいのではないかと考えた時もあったが、うまくいかなかった。この三十年は、そうした試行錯誤の連続だった。
 昨年夏のこと、歯の治療に行きマウスピースをかませられ、ハッと気付いた。マウスピースは、かんでもこすっても音にならないが、かみしめて放すと呼気が
「や」
になる。あごや唇、舌に圧力を加えて放す。これまでの疑問が一気に解明された思いだった。
「おかあさん」の「か」、
「おとうさん」の「と」、
いずれも同じ考え方でうまく発音できた。
「や」
がすべての音節の基本型のようだ。
「おかあさん」
は、この延長上にある。前途は厳しいが、理論的な裏付けとともに、悲願達成へ頑張りたい。

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